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はじめに
文部科学省が発表した2023年度の学校基本調査(確定値)で大学進学率は57.7%となり、8年連続で過去最高を更新しました。短大や専門学校なども含めた高等教育機関への進学率は84%で、こちらも過去最高となりました。
一方、高等教育機関へ進学せずに高卒で就職する人は全体の約16%となります。文部科学省の「令和5年3月高等学校卒業者の就職状況(令和5年3月末現在)に関する調査について」によると、高卒の就職率は男女で98%と非常に高い水準にあります。背景にあるのが、日本の労働市場における空前の売り手市場です。
日本は空前の売り手市場
少子高齢化が進むなか、日本の労働人材不足は深刻化の一途をたどっており、完全に売り手市場となっています。売り手市場とは、需要側よりも供給側の立場が強い状況を指します。つまり、労働市場においては求職者や労働者の立場が強く、企業や雇用主が労働者を確保するために積極的な努力を払わなければならない状況を指します。
売り手市場では、求職者が多くの選択肢を持ち、自分の条件や要求に合った職場を選ぶことができます。そのため、企業は求職者を引き付けるために給与や福利厚生を改善したり、働きやすい環境を提供したりする必要があります。
売り手市場が高卒者に与える影響は?
売り手市場では、求職者が有利な立場にあります。そのため高卒者も自分の能力や経験に見合った給与や福利厚生、働きやすい環境を求めることができます。企業側は、人材を確保するために競争力のある条件を提示しなければなりません。
需要に対して供給が追いつかない状況では、企業が積極的に高卒者を採用する求人案件を増やす可能性があります。これにより、高卒者が選択肢を増やすことができます。
また、企業は、高卒者に対してスキルアップや教育の機会を提供することで、求職者の関心を引き付けようとする可能性があります。高卒者は、このような機会を活用してスキルアップや自己成長を図ることができます。
売り手市場では、企業同士が優秀な人材を確保するために競争が激化します。そのため、企業は高卒者に対して魅力的な待遇や福利厚生を提供し、人材獲得に努めようとします。
売り手市場の状況においては、高卒者も自分の価値を理解し、自己ブランディングやスキルアップに努めることが重要です。また、求人情報をよく調査し、自分に合った条件や企業を選択することが成功への近道です。
高卒で就職するメリット・デメリットは?
ここでは、日本が空前の売り手市場にあるなか、高卒で就職するメリットとデメリットをいくつか挙げてみます。
メリット
■早期の社会参加: 高卒であれば、大学に進学せずに早期に社会に参加することができます。就職して働きながら社会経験を積むことで、自立した生活を送るスキルを早くから身につけることができます。
■即戦力としての評価: 大学を卒業していなくても、実務経験や専門知識を持っていれば即戦力として評価されることがあります。企業によっては、学歴よりも能力や経験を重視することもあります。
■時間と費用の節約: 大学に進学せずに就職することで、大学での学費や生活費を節約することができます。また、社会で働きながら実務経験を積むことで、将来のキャリアに役立つスキルを身につけることができます。
デメリット
■キャリアの制限:大学卒業者と比べて、高卒者のキャリアの選択肢は限られることがあります。一部の職種や企業では、応募条件として大卒以上と定めているところも少なくありません。
■給与水準の低さ:一般的に、大学卒業者と比べて高卒者の平均給与水準は低い傾向にあります。入社後に一定の経験やスキルを積んでからの昇給やキャリアアップが期待できますが、最初の就職時の給与は大卒者と比べて低めに設定されることが多いです。
■職業の安定性の低さ:一部の職種や業界では、高卒者の雇用安定性が低いとされることがあります。また、経済の変動や業界の需要変化に左右されやすい業種や職種もあります。
大卒で就職するメリット・デメリットは?
一方、大学進学率が過去最高を記録するなか、大卒で就職するメリットとデメリットについても考えてみます。
メリット
■高い雇用率:大卒者は一般的に高い雇用率を持ちます。大企業や外資系企業など、多くの企業が大学卒業者を求め、大学を卒業した人は高卒者に比べて就職の機会や選択肢が多い傾向にあります。
■高い収入:一般的に大卒者は高卒者より高い給与を得る傾向があります。学歴や専門知識により、高度な職種や責任のあるポジションに就くことができるためです。
■キャリアの発展:大学で学んだ専門知識やスキルは、キャリア形成やキャリアアップに役立ちます。企業がリーダーシップポジションや専門職を求める場合、大卒の資格は必須となることがあります。
■社会的地位の向上:大学卒業は社会的地位や尊敬を得るための一つの指標となることがあります。大学を卒業することで、社会的な認知や信頼が得られる場合があります。
デメリット
■学費の負担:大学教育は高額な費用がかかることがあります。学費や生活費を賄うために奨学金を利用した場合、大学卒業後に多額の借金を背負うことになり、借金返済が必要となることがあります。
■卒業後の就職難:一部の専門職を除いて、大学を卒業してもすぐに就職できない場合があります。特に景気の悪い時期や特定の業界では、大卒でも就職難が生じることがあります。
■学位の需要と供給の不均衡:ある職種や業界では、大卒者の需要と供給に不均衡が生じることがあります。過剰な大卒者が特定の職種や産業に流れることで、競争が激化し、それにより給与が抑制される場合があります。
■実務経験の不足:大学では理論や学術的な知識が重視されるため、実務経験が不足している場合があります。企業が実践的なスキルや経験を求める場合、大学卒業だけでは不十分とされることがあります。
まとめ
高卒で就職する場合、多くの人は一般的な職種での就職を目指します。具体的には販売員、事務員、生産ラインの作業員など、学歴を問わずに応募できる仕事が多いです。一部の高卒者は専門学校や職業訓練機関で技術を習得し、技術職に就くことがあります。例えば、電気工事士や看護助手などの職種があります。一方で、一部の企業や職種では、学歴が重視されることがあります。高卒者は大卒者と比べて就職の競争が激しくなることがあります。
大卒で就職する場合、大学や大学院で学んだ専門知識やスキルを活かし、専門職に就くことができます。例えば、エンジニア、医師、弁護士などがあります。また、大学や研究機関、学校などで研究職や教育職に就くことができます。大学や大学院での学術的な研究や教育を通じて、専門知識を深めることができます。大卒者はリーダーシップやマネジメントのスキルを身につける機会が多いため、管理職やリーダーシップポジションに就くことができる可能性が高いです。そのため、大企業や外資系企業など、多くの企業が大卒者を求めています。一方で、大学に進学するには多額の費用がかかり、学費や生活費を賄うために奨学金を利用する場合は卒業後に返済の義務が生じる場合があります。また、景気の悪い時期や特定の業界では、大卒でも就職難が生じることがあります。
高卒と大卒の違いにより、それぞれの就職における選択肢や機会は異なります。そのため自身の能力や興味、将来のキャリア目標に合った選択をすることが重要です。
この記事の監修
海老名 信行
取締役/COO
株式会社ツナグバ
大学卒業後、株式会社ギャプライズにてWebマーケティング支援の営業として、大企業を中心とした新規顧客開拓とリレーション構築に従事。
次に、株式会社サイファーポイントに取締役/営業責任者として参画。新規顧客開拓、DXコンサルティング、WEBマーケティング支援を経験。
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