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この記事では、失業保険が受けられる条件や金額について解説していきます。おおよそどのくらい失業保険がもらえるのか把握してから退職準備や失業認定の準備を進めていきましょう。
失業保険の金額を計算する手順
失業保険の1日あたりの給付額を基本手当日額と言います。この基本手当日額に給付日数をかけることで失業保険の給付額を計算します。給付日数は、退職理由によって異なってきますが、一般的に90〜150日となっています。
基本手当日額は、直近6ヶ月の平均賃金をもとにして計算されます。1日あたりの平均賃金を賃金日額と言います。賃金日額は離職前直近6ヶ月の給料を180で割って求めます。そして、基本手当日額は、この賃金日額に給付率をかけて計算します。
給付率は年齢に応じて異なることが多く、60歳未満では50〜80%60〜64歳は45%〜80%です。さらに賃金が低い人が得をするように、賃金日額が低い人の給付率は80%で、一方高い人は50%となっています。
また、賃金日額と基本手当日額には上限と下限が設けられており、下限は全年齢共通で、上限は年齢により異なります。おおよそ2,000〜8,000円の範囲内が基本手当日額となります。毎年8月に上限と下限が改訂されます。
年齢によって失業保険の金額が異なる
退職時の年齢により給付額が異なります。それぞれ30歳未満、30〜40歳、45〜59歳、60〜64歳、65歳以上の5つに分類することができます。年齢により失業保険の給付額が異なるとのことですが、具体的には基本手当日額の上限が以下のように異なります。
・30歳未満 6,710円
・30〜40歳 7,455円
・45〜60歳 8,205円
・60〜65歳 7,042円
です。
また65歳以上の方には、高年齢求職給付金というものもあります。失業保険と同じく受給条件や支給額、受給日数などが設けられています。
受給できる条件として、65歳以上の雇用保険の被保険者で、一定期間で就職と退職を繰り返すような日雇いや短期雇用労働者ではない高齢者被保険者が失業した時に受給することができます。
基本手当日額の30〜50日分が支給されます。具体的には離職前の6ヶ月間で支払われた賃金を下に計算します。これは、失業保険の給付金を求める計算と同様です。失業保険とは異なる部分は一度に給付されることです。
64歳と65歳の退職年齢が異なるだけで73万もの差が出ます。そのため、現在は64歳で退職するよりも65歳で退職した方が多く手当をもらうことができます。失業保険だけではなく、高年齢給付金もうまく使うことで退職後も安心して生活を送ることができます。
退職理由によって失業保険の金額が異なる
会社都合と自己都合とでは退職理由によって失業保険の給付額が異なります。
ハローワークに提出する離職証明書の右上に退職理由を記載する箇所がありますが、ここの記載により給付日数や支給されるまでの期間に違いがあります。
会社都合の理由とは、会社が倒産したり解雇されたりした場合のことを言い、雇用保険では特定受給資格者として分類されます。自分の意思に反して会社を辞めざるをえない状況になってしまったので、失業保険によって手厚くサポートされます。また、他にも異動になり通勤が困難になって退職せざるをえなくなったり、賃金などの労働条件が大幅に変わり、働き続けることができない環境になった場合も対象となります。
一方でもっと良い環境で働きたい、やりがいのある仕事につきたいという理由での退職は自己都合として扱われ、一般の離職者となります。会社都合なのに退職届を書かせる悪徳な会社には要注意です。退職理由により失業保険の給付額に大きな差が出ます。強要されても、無理に退職届に署名をしないようにしましょう。
自己都合の退職理由の場合、給付制限期間があります。7日間の待機期間終了後、さらに3ヶ月間は給付が受けられません。失業保険が出るからといって3ヶ月も待たされるのは知らなかったという方が多くいるので注意が必要です。
中には自己都合での退職ではあるものの、やむをえない理由がある場合は特定理由離職者として扱われる場合があります。健康面や家族の事情により退職した場合や、働く意思があるにも関わらず雇用更新されずに退職してしまった場合などに該当します。3ヶ月の給付制限がないのが特徴です。
失業保険の金額を計算する上での注意点
失業手当を受給している中でも生活をするためにアルバイトを始める人もいるかもしれません。しかし、アルバイトをし過ぎてしまうと失業手当を受給できなくなってしまうので注意が必要です。
再就職したとみなされる条件は、ハローワークの職員の判断によるところがあります。一般的な再就職の定義とは1時間労働が20時間以上あり、長期の雇用が見込まれる可能性があることです。このような状況になると定職についたとみなされるかもしれません。
他にも、1日の労働時間が4時間未満で、一定の金額を稼ぐと手当の日額が減額される場合があります。具体的には、基本手当日額+バイト収入-控除額が前職の賃金日額の8割よりも多いと差額分が手当の日額から減額されます。ハローワークにはどのくらいの時間と賃金のバイトをしていいのか確認してみるのも良いかもしれません。
1日の労働時間が4時間以上になるとその日は労働したとみなされるため給付されないことがあります。全く給付されなくなるのではなく、給付日数が1日だけ先送りになるだけなので全体的な失業保険の給付額は変わりません。
失業保険以外の様々な手当も利用してみよう
失業保険以外にも給付中には、再就職手当、就業促進定着手当、就業手当などの就業促進手当が給付される場合があります。手当の種類によっては失業保険よりも多くもらえる可能性があります。
再就職手当
失業保険を受給していた人が受給期間中に再就職が決まった時に支給される手当のことです。対象条件として、失業保険の待機期間が過ぎている、基本手当の受給期間が残り3分の1以上ある、前職の関連企業に就職していない、過去3年以内に再就職手当を受け取っていないなどが挙げられます。
就業促進定着手当
就業促進定着手当とは再就職手当を受けている人が対象で、再就職先の賃金が前職よりも低い場合に受け取ることができます。
就業手当
失業保険の受給資格があるにも関わらず、再就職手当の対象外である雇用形態で再就職した人に対する手当です。パートやアルバイトなどの臨時雇用で契約期間は1年未満です。
失業保険とうまく他の手当も使い分けることで失業中も心配せずに求職活動に集中できます。
まとめ
失業手当による受給期間や金額は、退職年齢や雇用保険の被保険者期間によって大きく変化することをこの記事を読んでわかったかと思います。実際に自分が退職するといくらもらえるのか計算してみるのも良いかもしれません。失業保険はあくまでも求職活動中に安心して生活を送ることができるようにするためのものです。失業保険を受けながらも次の就職先を見つけることも忘れずにしていきましょう。
この記事の監修
海老名 信行
取締役/COO
株式会社ツナグバ
大学卒業後、株式会社ギャプライズにてWebマーケティング支援の営業として、大企業を中心とした新規顧客開拓とリレーション構築に従事。
次に、株式会社サイファーポイントに取締役/営業責任者として参画。新規顧客開拓、DXコンサルティング、WEBマーケティング支援を経験。
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