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失業すると、一定期間国から失業手当を受け取ることができます。しかし、失業手当の給付額や期間、また申請方法を知らない方は多いのではないでしょうか。この記事では、失業手当の給付額や申請方法、注意点を中心に紹介します。
失業手当とは?
失業者に対して国から給付される失業手当ですが、その意味や目的、どこから給付されるのかを知らない方は多いと思います。ここでは、失業手当について解説します。
(1)雇用保険の基本手当
失業手当とは、失業した際に受給できる保険を指します。過去に勤めていた会社で加入していた雇用保険の基本手当であり、失業後ハローワークにして申請手続きをすると、一定期間国から決められた額の基本手当が支給されます。しかし、失業手当の給付額や給付日数は、失業した理由が会社都合と自己都合のどちらなのか、また働いていた年数(雇用保険に加入していた年数)などによって異なります。
(2)失業手当の目的
失業手当は、何らかの理由で失業した方の生活の安定を図り、再就職活動を行うために設けられた制度です。これにより、失業中の経済的不安が解消され、安定した収入が得られる企業への就職を目指すことが可能となります。しかし、失業手当を受給するためには、雇用保険に加入していた実績に加え、受給期間中の積極的な再就職活動が求められます。
(3)失業理由によって失業手当の開始時期は異なる
失業には、会社都合と自己都合の2つのケースがあります。どちらの都合で失業に至ったかにより、失業手当の開始時期は異なります。会社都合の場合は、働く意志はあるものの働く環境がない状態にあたるため、ハローワークにて申請後、7日間の待機期間を経てすぐに第1回目の給付が開始されます。しかし、自己都合の場合は、働く環境があるにも関わらず自ら失業を選んだことになるため、7日間の待機期間プラス3ヶ月間の給与制限期間を経て給付が開始されます。
失業手当の給付額と受給期間
上記で、会社都合と自己都合で失業手当の開始時期が異なる点を解説しました。実は、支給開始時期だけではなく、給付額や給付日数にも違いがあります。ここでは、失業手当をもらう給付額と給付日数について詳しく解説します。
(1)失業手当の給付日数
失業手当の給付日数は、会社都合と自己都合、また年齢や勤務年数(雇用保険の加入期間)によって異なります。以下は、会社都合と自己都合それぞれの失業手当の給付日数表です。
【会社都合による失業手当の給付日数】
年齢/勤務年数 | 半年〜1年未満 | 1年〜5年未満 | 5年〜10年未満 | 10年〜20年未満 | 20年以上 |
29歳まで | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ー |
30〜34歳 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 210日 |
35〜44歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45〜59歳 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
60〜64歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
【自己都合の場合】
勤務年数 | 10年未満 | 10年〜20年未満 | 20年以上 |
給付日数 | 90日 | 120日 | 150日 |
倒産や解雇など会社都合の場合、最低90日〜最大330日間において失業手当が給付されます。一方、自己都合の場合は、最低90日〜最大150日間と給付日数が短い上に給付開始時期が7日間プラス3ヶ月の給与制限期間後にあたるため、早急に再就職活動をする必要があるといえます。
(2)失業手当の給付額の考え方
失業手当の給付額は、年齢によって上限が定められており、また退職した直近半年間の給与の5〜8割程度が給付されることになっています。給付額の計算式は、退職した直近半年間の給与総額を180日で割った賃金日額の5〜8割が基本手当となり、毎月28日間分を対象の日数だけ給付されます。たとえば「会社都合で失業した30歳、直近半年間の給与総額150万円(月収25万円)、勤続3年」の場合は、以下の計算式で求めることができます。
(1)150万÷180日=8,333円(賃金日額)(2)8,333×80%=5,542円(基本手当日額)(3)5,542×28日=155,176円(毎月の失業手当)(3)5,542×120日=665,040円(失業手当総額) |
このように、失業手当の給付額は最低限の生活が送れる額になるため、失業後はできるだけは早く申請手続きを行うことが大切です。また給付率は、年齢や勤務年数によって異なります。正確な失業手当の給付額が知りたい方は、全国のハローワークの公式ホームページに掲載されている失業手当の給付額自動計算ページを利用してみてください。
【会社都合による失業手当の給付額(日額上限)】
失業時の年齢 | 失業手当の上限額 |
30歳未満 | 6,835円 |
30歳〜45歳未満 | 7,595円 |
45歳〜60歳未満 | 8,355円 |
60歳〜65歳未満 | 7,177円 |
失業手当の申請方法
失業手当は、ハローワークにて申請手続きが必要です。ここでは、失業手当の申請方法とその手順を解説します。
(1)ハローワークで求職手続きを行う
失業手当の申請は、ハローワークで求職手続きを行います。求職票に必要事項を記入し、提出すると担当者との面談が行われます。退職理由を聞かれるだけの簡単な面談であり、問題がなければ受給資格の決定日と認定されます。また、求職手続きに必要書類は以下の通りです。
失業手当の申請に必要な書類 |
・雇用保険被保険者離職票1(資格喪失確認通知書)・雇用保険被保険者離職票2・雇用保険被保険者証・本人名義の普通預金通帳やキャッシュカード・印鑑・本人確認書類・証明写真2枚(縦3cm×横2.5cm) |
失業手当の受給資格が認められた後は、7日間の待機期間があります。この期間は、失業状態を確認する期間であるため、一切の労働が許されていませんので注意が必要です。また失業保険の申請期限は、原則離職日の翌日から1年以内と決められています。申請が遅くなるほど給付が遅れますので、退職後すぐに手続きすることをおすすめします。
(2)雇用保険説明会に参加し失業認定日を決める
7日間の待機期間が過ぎると、ハローワークが開催している雇用保険受給説明会へ参加し、今後の手続きの流れや雇用保険制度に関する説明を受けます。また説明会では、今後の受給手続きに必要な雇用保険受給資格者証と、失業認定申告書が配布され、説明会を受けてようやく正式な失業認定日が決定します。雇用保険受給説明会の開催日や場所は、管轄のハローワークに問い合わせてみてください。
(3)積極的にハローワークにて求職活動を行う
失業認定日が決定されると、失業手当が支給されます。初回の支給日は、待期期間の翌日から失業認定日前日までの期間分が、失業認定日より1週間程度で指定の銀行口座へ振り込まれます。しかし失業手当は、失業者の再就職に向けた支援金です。失業者全員に給付されるものではなく、失業後、積極的に求職活動を行っていると判断された方にのみ支給が認められています。そのため、求職手続きから雇用保険説明会までの期間に最低1回、その後は4週間に1回の再就職に向けた活動実績をハローワークの担当者に報告する必要があり、求職活動実績が確認されない場合は、給付が停止されることがあります。失業手当をうまく利用しながら、再就職へ向けて活動してみてください。
まとめ
失業手当の給付額や期間、また失業手当をもらうための申請方法を中心に解説してきました。失業手当は、失業した理由や勤務年数、年齢等により給付額や給付日数が異なります。会社都合の場合は、1ヶ月程度で初回の給付が開始されますので、すみやかに申請手続きを行うことをおすすめします。一方、自己都合の場合は、待機期間+3ヶ月間の給与制限期間が必要です。そのため、経済的な不安が大きいと思われますので、積極的に求職活動を行い、再就職するべきかもしれません。とはいえ、失業手当は失業者の再就職活動を支える重要な制度です。上手に活用して、希望する企業へ再就職を果たし、安定した生活を手にいれてみてください。
この記事の監修
海老名 信行
取締役/COO
株式会社ツナグバ
大学卒業後、株式会社ギャプライズにてWebマーケティング支援の営業として、大企業を中心とした新規顧客開拓とリレーション構築に従事。
次に、株式会社サイファーポイントに取締役/営業責任者として参画。新規顧客開拓、DXコンサルティング、WEBマーケティング支援を経験。
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